
♢ Posted by Kite2014.5.25
Kite(カイト)メンバー5人の作品を5回に分けて紹介する連載「Kiteの本」。
2回目は、ことばあそびのデザイナーとして、ことばの新しい領域を
生み出す活動を続ける西村祐貴の作品を紹介します。
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紙の上のことばあそび
例えば紙の上。
ひとつひとつのことばは、いつも正面を向いて、
決まって同じ顔をしているように見えます。
でもそれは、ことばを情報としてしか見ていない場合。
いわば証明写真のように、ただの記号のように。
これは大変もったいない話。
生活の中で、ほとんどのことばは平面として認識されてしまいます。
でも実際は空間のなか、あるいは立体に沿うように
文字が記されているのは、何も本とて例外ではありません。
紙がめくれればことばもめくれ、紙が歪めばことばも歪む。
この当たり前のようで無視されがちな「ことばの空間感」を意識することで、
希薄だったことばそのものの存在がすっくと立ち上がる様子。
以下はそのおもしろさと効能を展開した作品です。
1.「補集合の本」
穴のあいた表紙を重ねると、隠れたことばがあらわれる絵本。
各ページ毎に「問い」が添えられており、
本文の文字に四角の窓をかざすことで
その「答え」が浮かび上がるという仕組みです。
本をめくる行為とその空間性に着目した仕掛けが、
まるで星空の中から決まった形の星座を探すように、
散らばったことばの中から隠れたフレーズを見つけ出します。
ラインナップは「花のずかん」「科学のはなし」
「想像してみて」「やねの上で」「よるの物語」の全5冊。
2.「光のメッセージカード」
光にかざすと、隠れたことばが浮かび上がるメッセージカード。
「ありがとう」や「きらいだよ」。
素っ気ないことばのその隙間に込めるきもちが、
光を通すことで相手の目に映ります。
前後に重なったことばは、紙というメディアの平面性と
書かれたことばの表情、その両方に奥行きを生み出し、
ことばの意味ではなくその想いを視覚的に伝えます。
消えてしまいそうなことば、陽の光、かざす時間、
その全てがメッセージ。
○以上2つの作品は、現在開催中の「Kite Book Store@SPBS 5/5-6/1」の会場、
またはKiteのWebShopでご購入頂けます。
Kite Book Store@SPBS
http://www.kitebooks.info/news/
Kite Shop
http://kitebooks.thebase.in/
○また、Kiteのwebサイトにて試し読みができます。
補集合の本
http://www.kitebooks.info/hosyugou-yomu/
光のメッセージカード
http://www.kitebooks.info/card-yomu/
次回のKiteの本 vol.3は、「MAUの本」を紹介します。
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Kite Book Store@SPBS 5/5-6/1
会期:5/5(Mon)-6/1(Sun)Part 1 「読む」5/5(Mon)-5/18(Sun)
Part 2 「見る」5/19(Mon)-6/1(Sun)
Part 1,2「使う」5/5(Mon)-6/1(Sun)
時間:12:00-24:00 (Mon-Sat)/12:00-22:00 (Sun)
会場:SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS書斎ルーム
東京都渋谷区神山町17-3 テラス神山1F
Kite Book Store@SPBS
http://www.kitebooks.info/news/
SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS
http://www.shibuyabooks.net/

本づくりから販売までを行う、アーティストと
デザイナーによるインディペンデント・レーベル。
読書は、空にある凧をたぐるようなもの。
より高く、遠くへ、遠くへ。
見上げているのは「Kiteさん」です。
http://www.kitebooks.info
https://www.facebook.com/kitebooks
Kiteの本 vol.1 「阿部海太の本」
「Music Jacket Gallery 2014」