
素朴な疑問もつことが表現の魅力につながる現代美術の世界
(以下、東京オペラシティアートギャラリー ウェブサイトより)
アートが私たちをひきつけてやまないのは、色やかたちや素材といった目に見える「もの」の魅力だけではなく、
その背後にある意味や考えが、見る者にさまざまな問いをもたらすからではないでしょうか。
本展で紹介する10組のアーティストは、私たちをとりまく現代の問題
(誰もが感じることはあるが、見過ごしてしまうようなこと)に立脚した制作を続けています。
都市と自然、個人のアイデンティティと歴史、アートとは何かという問い ─ アプローチはさまざまですが、
彼らの作品は、それらの個人的経験を見る者が自身に置きかえて深いレベルで共有することを可能にします。
出品作家の多くは日常に目を向けながら、その視点をずらしたり置き換えたりすることで、
私たちに新しい世界の見方を示してくれます。
それは、やがて作品を見る私たち自身の問いかけそのものへと変わるでしょう。
ドキっとしたり、クスっと笑ったり、あなたの心をつかむ作品がきっとあるはずです。
展覧会タイトルの「幸福はぼくを見つけてくれるかな?」は、
本展の出品作家ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイスの作品から引用しました。
幸福とは自分で見つけるもの、誰もがそう考えるでしょう。
しかしここには幸福が私たちを見つけるかもしれないという視点の変換がみられます。
人生に見出すわずかな希望・・・?やるせなさを感じさせるひと言にもとれますが、
誰の心にも浮かぶ小さな問いかけをそのままにせず、
何気ない日常をさまざまな角度から見つめることで新たな世界の見方は開けるのではないでしょうか。
本展がより多くの方にとって現代美術と出会う場となることを願い、このタイトルをつけました。
本展はコンセプチュアルな作品を多く収集するコレクター石川康晴氏のコレクションより、
国際的に注目を集める10組のアーティスト、ミルチャ・カントル、オマー・ファスト、
ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス、ライアン・ガンダー、リアム・ギリック、
ピエール・ユイグ、小泉明郎、グレン・ライゴン、島袋道浩、ヤン・ヴォーの作品を紹介します。
ミルチャ・カントル《僕は世界を救わないことにきめた》ヴィデオ 2011
Courtesy the artist and Yvon Lambert, Paris
島袋道浩《わけのわからないものをどうやってひきうけるか?》ヴィデオ、テキスト
2006/2008©Shimabuku, Courtesy the artist, Berlin photo: Shimabuku
ライアン・ガンダー《マグナス・オパス》アニマトロニクス、センサー、コンピュータ2013
© Ryan Gander, Courtesy the artist and TARO NASU Image Martin Argyroglo
オマー・ファスト《コンティニュイティ》ヴィデオ 2012
© Courtesy the artist, gb agency, Paris, Arratia, Beer, Berlin, Dvir Gallery, Tel Aviv Image: Philip Wölke
幸福はぼくを見つけてくれるかな?
─ 石川コレクション(岡山)からの10作家Will Happiness Find Me? 10 artists from the Ishikawa Collection, Okayama
会期 :2014年4月19日(土)〜6月29日(日)
時間 :11:00〜19:00 ※金・土は11:00〜20:00 最終入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日 (ただし4月28日、5月5日は開館)
会場 :東京オペラシティ アートギャラリー(3Fギャラリー1, 2)
東京都新宿区西新宿 3-20-2
入場料:一般 1,000円(800円)、大学・高校生 800円(600円)
・同時開催「特別展示 舟越保武:長崎26殉教者 未発表デッサン」「project N 56 三井淑香」の入場料を含みます。
・収蔵品展(特別展示):入場券200円(各種割引は無し)もあり。
・( )内は15名以上の団体料金
・その他割引(半額):閉館1時間前以降の入場、65歳以上
・中学・小学生以下は無料。
・障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
・Arts友の会会員は無料。(会員証をご呈示ください)
・割引の併用および払い戻しはできません。
お問い合わせ:東京オペラシティ アートギャラリー
03-5777-8600(ハローダイヤル)
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社
協力:石川コレクション(岡山)、TARO NASU
空間デザイン:横田歴男建築設計事務所
東京オペラシティ アートギャラリー ウェブサイト
http://www.operacity.jp/ag/index.php
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本来、「幸福」とはとても主観的なもの。
今、幸福と感じる人も、ちょっと今は自分が願うような幸福を感じられない人も、
本展を通じて、幸せの所在について見つめ直すことができるかもしれません。