
◑ Posted by Kotaro Takayanagi2014.1.6
皆さんはレストランなんてお好きでしょうか?
まあ好き嫌いはおいといても、誰でも何回か行った事はあるんじゃないでしょうか。
カランコロン。席に着きメニューを開くと香り立つような写真の面々。
ハンバーグ、スパゲティ、オムライス、どれも美味しそうですね。
そう、どれも美味しそうなんで迷ってしまいます。
あまりに迷って、ランチに行ったのにディナーを食べるなんてそんなことにならないように、
僕は席に着くと同時に呼び鈴を鳴らす事をおすすめしますよ。
そうして店員さんがやってくるまでにパッと決めてしまう。
これは双方気持ちがいいんですよ。
レストランは悩むところではなく、食べるところですからね。
大丈夫です、大概最初にいいなと思ったものが、一番いいんですから。
そうなんですか?なんて聞くのは野暮ですからやめていただきたい。
ところがね、中にはいますよ。
じーっくり考えて、いつまでも結論が出ない。
あれもいい、これもいい。わかりますけどね、あんまり胃によくないんですよこれは。
お腹が空いてるんですから、最優先は食べる事です。
考えてもね、お腹は決して満たされませんよ。
ですからこういう人はね、専門店に行けばいいんです。
なんでもあるからいけない。
ならばひとつのものに特化した場所へ行こう。
寿司屋。ラーメン屋。牛丼屋。これなら大丈夫だ。
いやところがね、こういう人はどこ行っても迷うんですね。
鉄火丼かづけ穴子丼か。みそか醤油か。
たまご付けようかなぁ…とそこに、あとから客が入って来た。
入って来たと同時にこの客「並つゆだくたまご」と言って腰かけるその所作実にミニマルで簡潔。
なんでもないただの注文ですよ。
でもね、言い慣れた言葉には安心感がある。
その落ち着いた声色。心地がよく、魅力を伴うんですね。
そうしてようやく腹が決まり口に出す言葉。
「すいませーん、同じのもうひとつ」
そもそもね、メニューなんか見るから悩むんです。
他人が頼むものなら必ずメニューにはのってるんですから、それを頼んだらいいだけの話なんです。
随分極端な話をしましたけどね、こういった精神的な圧力から自分の意見や考えが定まらない。
これはまさに日常の茶飯事によく見受けられます。
いや誰も圧力なんかかけちゃいませんが、勝手にかかっちゃう人がいる。
優柔不断なんていいますか。そんな方の救済のために、世の中には他人がいるんです。
メニューは喋らない。他人は喋ります。
メニューは冷たくも温かくもない。他人は冷たく、温かい。
メニューに動かせないものを人は動かす事ができる。善し悪しはありますが、それはまた別の話。
あなたが迷える人ならば、ランチには二人で行ったほうがよい。
あなたがさらに迷える人ならば、ディナーには三人で行ったほうがよい。
私コレにする。アタシもコレにしよう。
そこにあなたも続けばよい。私とアタシに挟まれて。
さてさて精神的なオセロの話をしてまいりましたが、その話もここでおしまい。
第2回目の今回は人間世界に、もっと直球でオセロをぶっ込んでみましょう。
優柔不断もクソも無い。ある要素をもった人間が左右から交互に現れます。
はさまれた人間達やいかに…
2014年のゲートが開きました
第1コーナー 春
第2コーナー 夏
第3コーナー 秋
第4コーナー フグ
僕は最終コーナーで差したいと思います
【 Profile 】
高栁 浩太郎 / Kotaro Takayanagi
東京在住。起きている時は眼鏡をかけ、寝ている時はふとんをかける
目が悪く、寝相のよいイラストレーター
2013年 第2回 東京装画賞/銀の本賞(一般部門)
2011年 玄光社 イラストレーション ザ•チョイス 第176回/入選(中村佑介 選)
2011年 誠文堂新光社 イラストノート第12回 ノート展/審査員賞 有山賞(有山達也 選)
http://www.minato8.com/
© Kotaro Takayanagi