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流行(ランウェイ)から逃亡(ランナウェイ)した洋服たちの脱走劇を想像します。
どこから来てどこへ行くのか知れない洋服たち、それに袖を通していたかもしれない人たち。
やわらかい布に包まれた人生たち。






●赤いリボン柄のシャツ




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クリスマス・イブの夜、彼は私にイケてないパッケージの箱をくれた。
いかにも洗練されていないぺかぺかしたリボンは必要以上に長く巻きつけられていて、ゆるんだところから赤い蛇になってのたうっていく。
(ああ、たぶんイケてないアクセサリーが入っているんだろうな)

彼は私が奇抜な柄の洋服を着るたびに「うーん、あはは」と言う。私は精一杯の真摯さをもって「コンサバティブな人なんだな」とだけ思うようにしていた。
私たちはお互いにほんの少しの嘲笑を感じながら、それなりに仲良くやっていた。私は喜んで、それから自分のプレゼントを手渡した。

それが四年前の話だ。私が今着ているシャツにはあのクリスマスに解いたような赤い模様が描かれている。
「ご自宅用ですか?」
「はい」
かわいいスニーカーを買って店を出る。
プレゼントのリボンは今日も垂れさがって揺らめいている。私の蛇は誰にも巻きつく必要がないのだから。






© Arisa Harada







harada はらだ 有彩 / Arisa Harada
テキストとイラストレーションをテキスタイルにして身につけるブランド《mon.you.moyo》を展開しています。
モチーフは強い女の子たち。
monはフランス語で「私の」、youは英語で「あなた」、moyoはスワヒリ語で「たましい」。
私のあなた、そのたましいを必ず手に入れる。

web site : http://arisaharada.com
twitter:https://twitter.com/hurry1116



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< キュレーター >
タカヒロコ
イラストレーター/愛鳥家。生き物の力に動かされ、私もまた生きている。
web site : http://takahiroko.net/







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