
◬ Posted by Arisa Harada2016.9.29
流行(ランウェイ)から逃亡(ランナウェイ)した洋服たちの脱走劇を想像します。
どこから来てどこへ行くのか知れない洋服たち、それに袖を通していたかもしれない人たち。
やわらかい布に包まれた人生たち。
●帽子とパラソル柄のシャツ
失踪した元カレのシャツを着ている。
シルク・ハットにカンカン帽、ボーラー・ハットにジョッキー帽。房飾りのたくさんついた日傘柄のシャツ。
大学生の私たちは果てしなく貧乏でひまだったので、一日じゅう喫茶店で薄茶けた漫画を読んで過ごした。
私はキャンディ・キャンディに傾倒し、キツネ狩りのときには紳士・淑女の皆さまはこのシャツに描かれているような帽子を被るのか知らん…と思いながらアンソニーを偲んだ。
最終巻を読み終える頃、やつはしょうもないダンディズムを追求してどこかへ行ってしまった。
彼は「キャンディ、君のえりまきだ」と言わなかったが、シャツはまだ私の部屋にあるのだった。
© Arisa Harada
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はらだ 有彩 / Arisa Harada テキストとイラストレーションをテキスタイルにして身につけるブランド《mon.you.moyo》を展開しています。 モチーフは強い女の子たち。 monはフランス語で「私の」、youは英語で「あなた」、moyoはスワヒリ語で「たましい」。 私のあなた、そのたましいを必ず手に入れる。 web site : http://arisaharada.com twitter:https://twitter.com/hurry1116 |
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○東京でスカーフと絵の展示をします。
2016年 10/1(土) 11:00~19:00、
10/2(日) 11:00~18:00。
サイト青山(銀座線・半蔵門線・大江戸線 青山一丁目駅5番・3番出口徒歩5分)にて。

< キュレーター >
タカヒロコ
イラストレーター/愛鳥家。生き物の力に動かされ、私もまた生きている。
web site : http://takahiroko.net/
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