
草間彌生、奈良美智、村上隆、会田誠など、全52作家を展示
現代アートコレクターの大規模コレクション展が、東京オペラシティ アートギャラリーで開催(以下、東京オペラシティ アートギャラリー ウェブサイトより)
「高橋コレクション」は、精神科医・高橋龍太郎氏の収集による現代アートのコレクションであり、1990年代以降の日本のアートシーンを俯瞰するうえで欠かせない存在として、高い評価を得てきました。1990年代に収集を本格化させた高橋氏は、奈良美智、村上隆、会田誠、ヤノベケンジといった、現在日本を代表する作家たちにごく早い時期から注目し、彼らの重要作品を次々と収集することで、一躍現代アートのコレクターとして名を馳せます。また、近年ではより幅広いコレクションを志向し、「もの派」をはじめキャリアの長い作家なども積極的に収集する姿勢を見せています。高橋氏の収集に注ぐ情熱は、つねに日本のアート、日本の文化に対する溢れる愛情と透徹した眼差しに裏打ちされているのです。
本展は、高橋氏が日本のアートと文化を考えるためのキーワードとして提案する「ミラー・ニューロン」をタイトルに掲げ、歴史的な視野から作品を選んで、日本の現代アートの流れを読み解いていくものです。草間彌生、舟越桂、Chim↑Pom、名和晃平ら52作家、約140点の作品を通し、現代アートの息吹が生き生きと体感できることでしょう。
[出品作家]
会田誠、青木陵子、青山悟、淺井裕介、荒木経惟、安藤正子、池田学、伊藤存、井上有一、榎倉康二、大岩オスカール、岡田謙三、小沢剛、小谷元彦、風間サチコ、樫木知子、加藤泉、加藤美佳、金坂健二、草間彌生、鴻池朋子、小林孝亘、小林正人、近藤亜樹、塩保朋子、菅木志雄、須田悦弘、関根伸夫、辰野登恵子、束芋、Chim↑Pom、中村一美、奈良美智、名和晃平、西尾康之、蜷川実花、橋本雅也、舟越桂、町田久美、松井えり菜、丸山直文、Mr.、宮永愛子、村上隆、村瀬恭子、森村泰昌、森山大道、やなぎみわ、ヤノベケンジ、山口晃、横尾忠則、李禹煥

名和晃平《PixCell-Lion》
2015
ミクストメディア
Photo: 表恒匡 SANDWICH
本展に寄せて
「ミラーニューロン」とは
ミラーニューロンはイタリア、パルマ大学のジャコモ・リゾラッティによって、1996年発見された神経細胞である。実験者がエサを拾い上げたときに、それを見ていただけのマカクザルが、エサを取るときと同じ脳の部位が活動したことに由来する。このように他者の行動を自分もやったかのように映すニューロンは、人間にも存在することが確かめられている。
人間はこのミラーニューロンによってもたらされる模倣行動によって、他者の行動を理解し共感する。人間の言語をこのミラーニューロンによって獲得されたものとする学説もある。
しかし人間にとって最大の模倣は自然への模倣だろう。アリストテレスは、芸術は自然を模倣するとして、模倣(ミメーシス)を人間の本質と高く評価した。
1980年代以降現代アートは模倣と引用によるシミュレーショニズムの影響なくしては語れない。しかしシミュレーションといえば、日本には本歌取り、見立て、やつし等、千年の歴史がある。とするなら日本の現代アートシーンは、正面に西欧のアートミラーがあり、背後に千年の伝統ミラーを見据える合わせ鏡の只中にあることになる。
それは世界のアートシーンのなかの稀有な痙攣する美になるのか。はたまた無限に映し返される煉獄に過ぎないのか。
「ミラーニューロン」とは
ミラーニューロンはイタリア、パルマ大学のジャコモ・リゾラッティによって、1996年発見された神経細胞である。実験者がエサを拾い上げたときに、それを見ていただけのマカクザルが、エサを取るときと同じ脳の部位が活動したことに由来する。このように他者の行動を自分もやったかのように映すニューロンは、人間にも存在することが確かめられている。
人間はこのミラーニューロンによってもたらされる模倣行動によって、他者の行動を理解し共感する。人間の言語をこのミラーニューロンによって獲得されたものとする学説もある。
しかし人間にとって最大の模倣は自然への模倣だろう。アリストテレスは、芸術は自然を模倣するとして、模倣(ミメーシス)を人間の本質と高く評価した。
1980年代以降現代アートは模倣と引用によるシミュレーショニズムの影響なくしては語れない。しかしシミュレーションといえば、日本には本歌取り、見立て、やつし等、千年の歴史がある。とするなら日本の現代アートシーンは、正面に西欧のアートミラーがあり、背後に千年の伝統ミラーを見据える合わせ鏡の只中にあることになる。
それは世界のアートシーンのなかの稀有な痙攣する美になるのか。はたまた無限に映し返される煉獄に過ぎないのか。
コレクター・精神科医 高橋龍太郎
高橋コレクション展 ミラー・ニューロン
TAKAHASHI COLLECTION: Mirror Neuron
会 期:2015年4月18日(土)〜6月28日(日)時 間:11:00〜19:00 (金・土は11:00〜20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
会 場:東京オペラシティ アートギャラリー[3Fギャラリー1, 2]
東京都新宿区西新宿3-20-2
休館日:月曜日(ただし5月4日は開館)
入場料:一般 1,200円(1,000円)、大学・高校生 800円(600円)、中学生以下無料
※同時開催「収蔵品展 051 3O+A」「project N 60 富田直樹」の入場料を含みます。
※収蔵品展入場券200円(割引は無し)もあり。
※( )内は15名以上の団体料金
※障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
※Arts友の会会員は無料。(会員証をご呈示ください)
※割引の併用および払い戻しはできません。
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
主 催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団/朝日新聞社
協 賛:日本生命保険相互会社
協 力:相互物産株式会社
特別協力:高橋龍太郎/高橋コレクション/医療法人こころの会
企画協力:内田真由美/児島やよい
東京オペラシティ アートギャラリー ウェブサイト
http://www.operacity.jp/ag/
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現代アートのコレクターとして評価の高い、高橋氏の大規模コレクション展です。
高橋氏が向き合い、収集している作品から、どの様な世界が広がるのでしょうか。
コレクターの目線から、現代アートシーンをお楽しみ下さい。