
♡ Posted by yuricamera2014.2.10
にっぽんのどうぶつえん
プロローグ
わたしは動物がスキ。どれくらいスキかと言うと、
撮影の仕事中に中断してまで横切る野良猫を撮り出す始末…
クライアントさんやスタッフさんたちはあきらめモードなのか、
温かい目で見守っているのか怖くて聞けないでいる。
そんなわたしの夢は、全国にある動物園を巡ることである。
ニャ男とワン子もスキだけれど、動物園にいる動物たちがとてもスキ。
様々な動物のキャラクターたちや、園内の特徴などを紹介したいという
熱い想いを担当編集さんに告白してみると、大変有り難いことに連載ページを作ってくれた。
なるべく個人的な暑苦しい想いを省き、たまにクスリと笑えて、
15時のおやつのお茶うけになるような、そんなほんわか写真とエッセイをお届けしたいと思います。
第1話
街の真ん中にある、はんなり京都市動物園

日本で2番目に古い京都市動物園では、園内に入るとすぐ大きな雄叫びが聞こえてくる。
ここには子供があまり好きじゃないライオンのナイルくんがいる。
園内は平日でも園児たちの遠足などでにぎわっていて、
どうやら園児たちのきゃーきゃー言う声がお好きではないようだ。
「うるさいな~…」といつも寝ている場所から降りて、窓際まで近づいてくる。




園児たちは大喜び。
窓越しで割と長い時間見ていられるので、
この時間はシャッターチャンスなのに、園児たちに阻まれることが多い。
中でもそんなやりとりを遠巻きに撮影していると、男児からナンパされることがある。
「何撮ってるのー」
「ライオン撮ってるのー」
「ぼくも撮って!」
「ギャラ高いよー」
「ギャラって何!?」
「あのね…」と、現実をこっそり教えたりもしている。

ナイルと仲良く一緒に暮らすクリスはいつもクールな雰囲気。
ガルガル吠えているナイルの横で、園児たちの歓声など聞かずにのんびり寝ていることが多い。


ここの”もうじゅうワールド”エリアには他にお年寄りのジャガーのグランデさんや、ツシマヤマネコがいる。
グランデさんのキラキラしたビー玉のような目にはいつも吸い込まれそうになる。
なんでもお見通しされているような感覚になる。



そしてさらに奥には、アムールトラが3頭いる。
ここの設営は特徴的で、3頭の頭上にそれぞれ1頭が通れるくらいの”空中通路”というトンネルがあるので、
タイミングがよければ、空中を行き交うトラを見られる。


わたしはアオイちゃんが、好き。
いつも思うのは長い時間目が合っていると、好きになってしまうみたい。
ちなみにニンゲン界でも、目がよく合う人にうっかり惚れてしまうことが多いが、
一目惚れは失敗することも多いと学習済みである。