「クリエイターへの7つの質問」Vol.2 鳥羽史仁

音楽やファッション、プロダクトなど様々な分野にて活動を行う、
注目のイラストレーター鳥羽史仁さん。

繊細で幻想的な数々の線描ドローイングをこれまで発表してきましたが、
2013年、自身で撮り貯めた写真の上にペンドローイングを組み合わせた
新たな試みの作品、イラスト・フォトコラージュ「souvenir」を発表しました。

今回、[ART AND MORE]では、
鳥羽史仁さんのインスピレーションの源泉と作風の変化について聞いてみました。



「鳥羽史仁への7つの質問」


Q1. 作品のインスピレーションはどこからきますか?

いろいろなものからインスピレーションを受けている気がしますが
植物や動物が生きている様と死んでいる様とか、
男性性と女性性を各々連想させるものとか、
恐怖心と好奇心が入り交じりながら見る夢とか
片方が存在するときに、相反するもう片方が同時にどこかで存在しているようなものの形や質感、
それらを感じさせるものから多くイメージを受けている気がします。
それは自然の世界に存在するものからでも、
人が作った音楽や、写真や絵画からでも、日常的な動作やコミュニケーションや昨日見た夢からでもですね。


Q2. イラストを描く時、作品を創る時によく聴く音楽は?

その時によって静かなインストだったり激しいものだったりと、バラバラなので特にこれというものはないのですが、
最近よく聴いているのは、Bosques de mi Menteという方たちの「Trenes de Juguete」というアルバムと、
Johann Johannssonという方の「Englaborn」というアルバムを聴いています。






Q3. 新作の「souvenir」について、創案のきっかけと作風の変化について教えてください。

昨年の秋にフランスやイタリアを旅行したんです。
行く直前までお仕事の絵を描いていて、
ろくに下調べもせずに現地でふらふらしながらなんとなく写真を撮っていたんですが
帰ってから見返したときに、風景に感じた匂いとか手触りとかそういうものをすごく思い出して。
それは写真の中に写っているものではなくて、ふっと舞い上げられる自分の回想にある感覚ではあるのですが、
その不可視の感覚を、あまり理屈にとらわれず直感的にドローイングで描きいれてみようと思ったのがきっかけです。

結果的に自分自身が持っていた感覚を見る人に忠実に伝えたいというよりも、直感的に描きいれることによる潜在意識の探求だったり、単純にビジュアルとしてできあがったものに浮かんでくる新しい感触を楽しめたらいいなと。

作風の変化については根本的にやっているはそんなに違わないと思ってるんですが、
普段はまっさらな紙にゼロのところからあれを描きたい、
これを描きたいっていう大まかな主体のイメージがあったり、
描いていくうちにイメージが固まっていったり、新しいものを最初から作るという意識が強い気がするのですが、
今回の作品に関しては、すでに画像として存在するものをベースに、そこにつまっている
過去の時間と情報というブラックボックスに手を入れて、
本当は見えないけどそこにあるものを取り出して浮かび上がらせる、
とか、取り出したものを上に乗せることで違う見え方にして完成させる、という
あらかじめあるパーツをコラージュするような意識が強かったように思います。






Q4. 鳥羽さんにとって印象深い、自分以外の作家作品は?

Camille Vivierというフォトグラファーの、ベールをかけられた馬の写真がとても好きです。
裸の若い女性であるかのように艶やかに撮られた獣。

vivian girlsのHenry Darger
密度が濃くていつもダイナミックな絵を描く青木京太郎さんとHAMADARAKAさんもとても尊敬してます。

あとCocorosieという音楽家姉妹のBiancaが描く絵も好きですし、
現代彫刻家・小谷元彦さんの幽体の知覚という展示で見た作品たちもすごく印象に残ってます。








Q5. イラストレーターになろうと思ったきっかけを教えてください。

もともとは大学の写真学科に行っていたんですが、写真学科にいる間にも、
それ以前の高校時代もずっと絵はちょこちょこと描いていて。
写真学科での制作でも、後半は写真作品を作るというよりは写真を素材的にとらえてコラージュしたり絵を加筆したりしてメディアとしては曖昧な作品を作るということが多かったのですが、
そんな時間を過ごしている間に、THE NOVEMBERSというバンドをやっている友人達がデビューすることになり、
僕のイラストを自主デモ盤などにも使ってくれていた彼らから「アートワークをやってほしい」と言ってもらえて。

イラストをやりたいって気持ちは前々からあったんですが、
その時ちゃんとしたお仕事として形になったことで、本気でイラストを描くことについて考えるようになって、
結局大学院のデザイン科に転科してイラストレーションの研究室で2年間シンプルに絵を描いていました。

なので、イラストレーターになるきっかけは友人達のバンドに声をかけてもらったことですね。





Q6. もし一人旅へ行くとしたらどこへ?

アイスランドと、カナダのクイーンシャーロット島に行ってみたいです。







Q7. 今後とくにチャレンジしてみたい仕事は?

欲張りな性格なのでいろいろやりたいですね。
今までやらせていただいたことがあるものも含めて、
洋服のテキスタイルとか、本の装丁イラストや挿絵とか。
音楽も大好きなので、音楽にまつわるお仕事ももっとやっていきたいなと思います。

あとは仕事に関わらず作品として、このsouvenirでやったように違うメディアにイラストを載せたり、
イラストを立体的なインスタレーションとして表現したり、シンプルに絵を描くことから
もうひとつ動きのあることもさらにしていきたいなと思います。






鳥羽さん、ありがとうございました。
今後の更なるご活躍と今後の「souvenir」シリーズ、楽しみにしています。






▲鳥羽 史仁 / TOBA FUMIHITO

▲1985年生まれ。東京出身のイラストレーター。
アーティスト”THE NOVEMBERS”のアートワーク、グッズ等担当、
代官山Aquviiにてプロダクト取扱い・ライブペインティング参加、
SHIBUYA FASHION FESTIVAL x kanvasワークショップへの参加、
LUMINE meets ARTS 2012にて映像作品出展など音楽やファッション、
プロダクトなど様々な媒体にてフリーランスで活動中。
2012年池尻PUBLIC / IMAGE.3D 主催”MUSIC ILLUSTRATION AWARDS 2011″にて
BEST MUSIC ILLUSTRATOR賞受賞。

http://tobafumihito.com/



image © TOBA FUMIHITO





< 聞き手 >
清水厚史 / Atsushi Shimizu
ART&MORE編集長 / ADLIB代表 / 編集者・コーディネーター
グラフィックデザイナー・イラストレーターとしても活動を行う
ADLIB:www.adlib-tokyo.com
Melbourne:www.atelier-melbourne.com








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